ネリーのおやつ

ボッサリした日常をざっくりと ブログは短くオヤツ的なスナック感溢れるカンジで

鬼嫁

先日母から電話があった。暗い声なので、また父が倒れたのかとあせったら
「U二が入院したんだわ」と。
母は4人兄弟。1番上のMおじと2番目が母、3番目がYおばちゃまで、末っ子がU二おじさん。
U二おじさんが入院したのが、うちの関係する病院であったからか親戚だからか連絡して来た母。
面会時間は何時からかしらとか、病状やら先生についてやら話していたが、ワタシは



ワタシは、このU二おじさん一家が嫌いなんである。


U二おじさんは、もっさりした人で、ワタシはこの人と挨拶以上の言葉を話した事が無い。
このU二おじさんのお嫁さんが、ごっつい意地悪、なんである。
S子おばさんというその人、でっぷりしていて茫洋とした印象で、儚いとは真逆でボヤボヤした輪郭の人なのだ。何でかおどおどしている様に見えるのだが、しゃべると人を傷つける事を言う。
鋭い事を言うのでなくて、何でそっから?!みたいに後ろから小さな刃物でサクサク裂くような。
S子おばのエピソードには事欠かないのだが、1番すごい話は、お向かいに家を購入した家族が1年過ぎて、S子おばの意地悪に耐えきれず引っ越したのだ。去る前にS子おばに「あなたの仕打ちに耐えられないので引っ越します」と言ったそうだ。家を買うって相当な事だが、それを手放してまで引っ越したいって。それを平気で話すS子おばって。
ワタシは年に1回会うか会わないかだったので、不快だがどうということもなかったのだが、母方の祖父母がU二おじさんの家に同居することになったので、1度その家にお邪魔しに行った事があった。
千代ばーちゃんと猪蔵じーちゃんは小山のような体型だったのに、久しぶりに見るじーちゃんばーちゃんはひとまわり小さくなっていて、子供心に大丈夫なんかな?と思っていた。
親戚の子どもが集まったのだけど、そのU二おじさんの息子2人が「アイスたべる!」と言い出した。S子おばは冷凍庫を見て、人数分のアイスが無いとわかるとまず自分の子にアイスを渡し、ワタシの姉(当時6年生)に「アンタは大きいから我慢してね」と言った。暑い夏の日で食べたいけれど、人数分無ければ皆食べないか、買いに行くんじゃね?と思ったワタシ等は「お姉ちゃんが食べないならいらない」と言った。「あ、そ」と言ったS子おばとすでに食べ始めてる息子2人…
ますますじーちゃんばーちゃん大丈夫だろっか、と心配になった。


結果、大丈夫じゃなかった。


夏休みとかに、昼ご飯を食べていると、TVのワイドショーとかで『恐怖!心霊特集!!』みたいな実録再現ドラマをやっていたのを覚えている方いるだろうか?あれ怖くて見れんかった〜。
母が大好きで、強制的に視界に入って来て怯えていたものだが、普段、あの時間帯は
『実録!風呂場で転んだ私にスイカを投げつける鬼嫁!』みたいな鬼嫁シリーズをやっていた。
こんな人いるわけないじゃん、と思っていたのだが、S子おばの場合
『リビングに置いてあったバナナを食べた私に泥棒!とバナナを投げつける鬼嫁!』であった。
同居って難しいものだ。うちも父方の祖父と同居していたので、毎日皆がちょっとづつ我慢していた。S子一家が何をどう我慢していたかは知らないが、同居が上手く言ってないらしい事は聞いていた。祖父母は多くを語らない人たちであったが「つらくての」的な話は聞いていたさなか、年金全額U二おじさん家に入れていた祖父母が、リビングにあったバナナを食べた所、S子おばに「泥棒!」と罵られバナナを投げつけられた話を聞いて母とワタシ等姉妹はキレて親族会議となった。
母方の祖父母が大好きだったので、私と姉はこれより、U二おじ一家を許さん!と決めた。


千代ばーちゃんと猪蔵じーちゃんは遠い他県のMおじ(長男)のお家に行く事になった。
滅多に会えなくなったが、ばーちゃんもじーちゃんも、いいとこで楽しい、と言っていて、安心していた。
数年後、Mおじが事故で頸椎損傷になってしまった。頸損は首から下が一切麻痺してしまう重傷である。自発呼吸もままならない。
じーちゃんばーちゃんは行く所が無くなってしまった。
折しも、私のうちは父方の祖母が脳梗塞で意識の無いまま6年間入院しており、じじが「他人を家に入れる事まかりならん!」という人だったので、母が母方の祖父母が夫婦で入れる療養施設を探し入居してもらい、その後、脳梗塞になった祖母も癌になってボケちゃった祖父も母が世話をし看取った。Yおばちゃまは自身が病気だったのによくお見舞いに来ていたけれど、U二おじ一家は全然来なかった。
祖父母のお葬式で、久しぶりにS子おばを見た。「すみません」と謝ったそうだが、彼女にとって何がすまなかっただろうか?何でいるの?という印象しか無い。


そして一昨年、長い闘病の末、Mおじが亡くなった。
Mおじは、県下で1番の高校へ通い学年で1、2を争う秀才の母自慢の兄だった。大学進学を勧められたが、貧乏一家の長男であったため、U二おじに譲る、と言って進学しなかった。
そのMおじが危篤の際、車で8時間の遠方で、たまたま夏休みだったワタシの旦那さんが車を出してくれて会う事ができた。少し前に亡くなったYおばちゃまの旦那さんも来てくれた。
そしてU二おじ一家は「遠方だし、旅行の予定を入れてたから無理だわ」と来なかった。



その、そのU二おじが病気だからって、なんだってかーーーーー!!!!!!



母は「U二が入院って聞いて、わーっと血圧が上がったわ。あの人の事をあんまり考えん子が『姉貴、いつもすまんな』って言ってたわ」


知らんちゅーの!!うちの金魚ですら、スマンっちゅー顔する事あるわ!



その後、姉から即電話があり
「あの後、お母さんがお見舞いに行ったら、S子が『私じゃなくてよかったわ』って言ったんだって。S子の口にアイス5本くらい詰めてやれば良かったのに」ここまでアイス引っ張るか。
U二おじの息子達に、S子以上の鬼嫁が来たらいいな、ってゆーか嫁来そうにないしなと電話を切った。


あ〜〜〜〜〜腹立つわーーーーーーーーーーーーーーー!