あふれる想い

お蕎麦を茹でようと思って、作り方を見てみたら、そこに店主の熱く滾るお蕎麦に対する情熱を見て、さりげなくイラっとしました。

いやいや、いやいやいやいや、十割蕎麦ですからね、切れやすいし、こだわりがあるんですよね。
おおざっぱな割りに、計量スプーンを愛用しているワタシにとってはありがたいんですが…おいしく食べてもらいたい気持ちが、丁寧な様で、くどいわー。
そんで大鍋で指示通りに茹でたんですが、５センチくらになっちゃったヤツがチラホラ。蒸さなくていいかも。家で茹でてアチアチ言いながら流水で冷やす間に１分くらい経つような。
ワタシのこのお蕎麦に対する滾る想いは店主には届かないんだわ。
ちなみに、十割り蕎麦もおいしいですが、新潟ではお蕎麦は海藻繋ぎを使用したものがメインで、シコシコツルツルしてそれはそれはおいしいです。お試しあれ〜。

そんなこだわりのラーメン屋さんに行った事があった。

とにかくこだわってる、と。「ッパネーっす！」と言われたので、何語だよ？！と行ってみる事に。

店は、やけに白い建物でした。
ガラッと扉を開けると、客席をぐるりと取り囲む人人人の行列。繁盛してんなぁ〜、と思ったのもつかの間、そこは一種異様な異次元空間であった。
まず、BGMがない。うるさいよりはいいけど…食べている人はもちろん立って待っている人も誰も話している人がいない。しーんとした空間に、ズルズル食べる音と店主が作る音だけ。
壁を見ると
私語厳禁
９歳以下の入店お断り
バーン
そしてメニューは
ラーメン
チャーハン
のみ、ババーン

………まじか。

っパネーっす！

そんで、壁際にぐるりと立っている一言も話さない客達に、お店のおばさんが「ラーメン？チャーハン？」と聞いている。

２択！！！！いや、ラーメンチャーハンの人が居るから３択！！！！

………ここで、「みそラーメン！」と叫んだら店主に「出て行けーー！！」とどやされそうだ。

……………言いたい。

だって皆真面目に規則を守って、しかも真剣な顔で人が食べてるのじっと見ながら、３択を告げてひたすら立ってるんだもん！
ワタシの悪い顔に気付いた旦那さんが、やんじゃねーぞコラ的視線を送ってくる。
面白すぎるだろー！

２人でせっかくなので、ラーメン２つとチャーハン１つを頼む。
店主がチラッとこちらを見る。
なになになになに〜〜？←どちらかというとワタシが鬱陶しい客。さっと逸れる。確認？

ラーメンは澄み切ったスープの和風ラーメン、シンプルで飽きのこないラーメンだそうで。
もちろん背脂チャッチャとかナシです。

言いつけ通り無言で食べました。
旦那さんと目と目で会話しました。

普通。

シンプルだからね。

普段家でシンプルな料理を食べているので、外食する時は脂ぎっとりとか味濃いヤツが食べたいワタシなので、あれ以来行っていません。
常連さんは週に２、３回もいくとか。昔のあっさりらーめんなので、飽きないんだろうな。

店主も真面目にこだわってるので、お客さんも真面目な人が行くんだと思います。
想いが溢れてるなぁ〜。